レンタルスペースとは、時間や日数単位で場所を貸し出す事業ですが、パーティーなどのプライベート利用や期間限定ショップ、会議室利用など幅広い用途で活用されています。
ビジネスにおいては起業家やリモートワークの増加などを背景にコワーキングスペースも多くなってきていますね。
ここでは、実際にコワーキングスペースを開業したPabridが新規事業としてレンタルスペース事業を起業したいという方に向けて、運営までの流れをご説明します!
ぜひ最後までご覧ください!
レンタルスペースを開業するために必要な手続き、流れは?

レンタルスペースを開業するためには大きく分けて6つの流れになります。
①ターゲット・コンセプト設計・事業計画
②物件の選定・契約
③届出などの手続きを行う
④内装工事
⑤家具や備品を揃える
⑥集客
この6つの流れについて詳しく見ていきましょう。
①ターゲット・コンセプト設計・事業計画
レンタルスペースを開業する前に、ターゲットの選定、スペースのコンセプトの設計、そして事業計画を立てることが不可欠です。
レンタルスペースと一概に言っても「仕事をする場所」「音楽やダンスなどの練習場」「間借り店舗」「保管庫」など用途は様々。
起業するスペースの用途に応じて、どんな人に借りてほしいか明確にしましょう。
また、ターゲットに借りてもらうための、コンセプトが必要です。
開業後、事業を進めて行く上でコンセプトがブレないように予算、目標などを細かく書き起こし、事業計画をきっちりと立てるようにしましょう。
「コワーキングスペース」用途として開業した、当社Pabridを例としてみましょう。
✓ターゲット
“スタートアップやフリーランスの皆様”
図面設計のスタートアップ企業である当社が運営しているため、同じようなスタートアップやフリーランスの方を応援したい想いでコワーキングスペースを始めました。
✓コンセプト
“シンプルでわかりやすく仕事が快適にできる場所”
「あったらいいな」を叶える設備の充実で仕事・作業・打ち合わせに集中していただけます。
✓事業計画
初期段階から、運転資金を細分化、売上計画を日割り、月、年間で計画し、目標値や損益分岐点を明確にして事業計画を引きました。
数字を仮でも設定するために、ご利用内容、席数などのレイアウト、おおまかな備品等を洗い出す作業を徹底的に行い、オープンまでに詰めていきました。
ここで引いたものは、開業後の経過観測に必要です。上昇・下降傾向によって方針継続や修正などを行う判断軸になるため、しっかりと作成しましょう。
事業計画の立て方がわからないという場合は、専門家を尋ねるのも良いでしょう。
②物件の選定・契約
ターゲットやコンセプトの設計、事業計画が整ったら、物件を契約しましょう。
自分で所有している物件を活用する場合もありますが、今回は「賃貸契約」を例とします。
開業したいと思うレンタルスペース内容、ターゲットを明確にしてから、エリアと物件を選定、さらに商圏調査を行います。
近隣に競合となり得るレンタルスペースがある場合、どう差別化していくかも考えていかなければなりません。
また、周辺地域やテナントの迷惑にならないように、レンタルスペースとして貸し出しをしてもよいか事前許可を取りましょう。
③届出などの手続きを行う
レンタルスペースを開業する際に、特別な資格を取得する義務はありません。
しかし、事業の開始時に開業届を所轄の事務所に提出する必要があります。
また、コワーキングスペース利用など、レイアウトによっては「消防法」に基づく手続きが必要な場合があります。
「消防法」は、建物で火災などが発生したケースに備えて、安全性を確保するために定められたルールで、消火設備や警報設備の設置、部屋から避難階段までの距離などが決められています。
天井まで届くパーテーションを使用したり、壁を作る場合は、届出が必要になる可能性があるため、所轄の消防署に相談しましょう。
また、飲食を伴う場合にはレンタルスペースでの調理の有無や、食品の販売など条件に応じて保健所への届け出、飲食店営業許可が必要になります。
以上のようにレンタルスペースの内容やレイアウトに応じて、届出の内容が変わるため、使用目的が決まり次第慎重に確認を行ないましょう。
④内装工事
無事に物件を抑え、届出などの手続きが終われば内装工事に入ります。
内装工事前のスケルトン物件の場合は、内装を1から決められるためターゲットや事業内容に沿った空間作りができます。
しかし、時間も費用もかかるので注意しましょう。
居抜き物件の場合、前の業種と同じであれば、設備をそのまま使えるため、工事費用を抑えられます。
しかし、業種が変わる場合は工事が必要となる場合があります。
①で決めたターゲット・コンセプト、予算感に応じて内装工事内容は変わりますが、主に下記のような工事が必要です。
・内装工事
・電気工事
・給水工事
・ガス工事
・空調設備工事
・保健所の監査(飲食を扱う場合)
これらを行うのに、最低でも1か月〜2か月は必要になります。
(※物件の大きさにより変動します)
内装にこだわりたくてスケルトン店舗での内装工事を考えている方は、内装業者との契約日から3か月後を開店日の目安位にしておきましょう。
⑤家具や備品を揃える
次に、レンタルスペースに必要な家具や備品を細かく洗い出します。
例としてコワーキングスペースを開業する場合は、デスク、PC周辺機器、照明などが挙げられますが、近接地に競合がいる場合は比較して優位性のある充実した設備を整えることも大切です。
当社では、お客様が快適にお過ごしいただけるよう無料で貸出しできる備品を多数ご用意しております。
PC一台お持ちいただければ、オフィスと同じように作業ができるよう設備環境を整えました。
“あったらいいな”を叶える充実した設備が揃っているコワーキングスペースPabridについてはこちら
⑥集客
最後に、レンタルスペースを開業しても利用してくれる人がいなければ成り立ちませんよね。
・チラシをポスティング
・看板の設置
・Instagram、LINE等のSNSアカウントの作成
・HPの制作
・レンタルスペース紹介サイトへの掲載
・広告運用
・Googleマップへの登録(Googleマイビジネス)
上記のような様々な手法が考えられますが、予算と起業したスペース内容、ターゲットに応じてレンタルスペースを開業した旨を周知しましょう。
中でも、HPの制作とGoogleマップへ登録することを推奨します。
ユーザーがレンタルスペースやコワーキングスペースを利用する際には、「地名(例えば、「大森駅」) × レンタルスペース」などで検索する場合が多いです。
その際に、しっかりと自社のレンタルスペースをアピールする必要があります。
また、サービス内容や料金などの詳細を明記する”箱(=HP)“があった方が、ユーザーの信頼度が上がるでしょう。
多くのユーザーに知ってもらうことが集客の第一歩です。
すぐに効果が出づらいものもありますが、根気よく続けていくことが大切です。
レンタルスペースを開業するためにかかる費用、重視するポイントを解説

コワーキングスペースの運営を例として、費用について見ていきましょう。
初期投資としては、「内装工事費」「什器費」がかかります。
スペースの坪数、どれだけ内装や家具にこだわるかにもよりますが、200~300万円程度はかかるものと見ておくのがよいでしょう。
さらに、おおまかに下記のような費用がランニングコストとしてかかります。
・人件費
・地代家賃
・水道光熱費
・通信費
・設備費
・消耗品
ランニングコストについてもクオリティによるところがありますが、年間で1,000万円程度はかかると想定できます。
開業するレンタルスペースの付加価値は何か、重きを置くこだわりは何かをしっかりと事前に想定することで必要なコストと削れるコストを洗い出しましょう。
事業計画段階で物件や内装工事、備品の見積りを取り、思い描くレンタルスペースを想定していくらかかるのかを細かくシミュレーションしていくことが大切です。
まとめ
今後もリモートワークやフリーランスという働き方が浸透したり、所有するのではなく空間もシェアしていく考えが広がっていくように感じます。
それに伴いコワーキングスペースなどのレンタルスペースの需要も高くなっていくでしょう。
当社Pabridがコワーキングスペースを開業してきてわかったレンタルスペースの開業についてお伝えしました。
開業を検討している起業家の皆様の参考になれば幸いです!